沖縄県内も警戒感広がる 豚インフル沖縄県 豚肉の安全性強調/米軍へ情報提供要請も
豚インフルエンザの感染が拡大している問題で27日、県内でも関係機関が対応に追われた。県は同日付で各保健所に電話相談窓口を設置。旅行各社ではメキシコ旅行などの企画が中止となったほか、沖縄市内で予定していたブラジルのバンドが出国できず公演が延期になるなど影響が広がっている。一方、豚肉の流通・販売への風評被害を懸念する声も。県は「豚肉を食べて感染した例はない」と安全性を強調している。
豚インフルエンザには、タミフルなど抗インフルエンザウイルス薬が有効とされている。県は11万2000人分を備蓄しているが、厚生労働省の方針に沿い「備蓄量を人口の45%に当たる約70万人分まで引き上げる予定」(県医務課)。
県の宮里達也保健衛生統括監は、米軍側に情報提供を呼び掛けていることを明らかにした。米軍からの回答は「まだない」という。
旅行各社は、中心となる米国や欧州での感染拡大に神経をとがらせる。
JTBは27日から6月30日出発便まで、メキシコへの観光など企画旅行の中止を決定。沖縄支社の担当者は「不況の中、燃油サーチャージ(価格転嫁)による割安で客足が戻ってきたばかり。早く収束してほしい」と心配する。エアー沖縄には、メキシコ旅行についての問い合わせが数件寄せられた。担当者は「米国で(感染が)広がれば確実に影響が出る。常に情報をチェックしている」と警戒感を示した。
県内の大手スーパーは豚肉への風評被害を懸念する。サンエーは、店舗売り場に関連商品の安全性を伝える告知を近く出す予定。ジャスコなどを経営するイオングループの担当者も「豚肉を食べても感染しないので安心して利用してほしい」としている。
沖縄市のミュージックタウン音市場では、5月1日に予定していた「ビッグ・タイム・オーケストラ」のライブが延期になった。27日早朝、日本ツアーを運営する事務所が「メンバーが『40日間出国できない』と連絡があった。ツアーを延期したい」と伝えてきたという。音市場は「ライブはメンバーが出国でき次第実施したい」とする一方、チケットの払い戻しにも応じている。
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-04-28-M_1-027-1_001.html?PSID=f5f9a6d8c8931149cd5359fe3bd46f52
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