メキシコ、米で豚インフル 死者68人、1000人超に疑い 世界保健機関(WHO)報道官は二十四日、メキシコでインフルエンザのような症例の患者がこの時期としては異常な増加を示していると発表。メキシコ政府は同日、豚インフルエンザに感染した疑いがある死者が六十八人、患者が千四人に達したことを明らかにした。米疾病対策センター(CDC)も二十四日までにカリフォルニア、テキサス両州で計八人の豚インフルエンザ感染者が出たと発表した。
CDCは感染者に豚との接触がないことから、人から人への感染と断定。WHOによると、メキシコと米国の感染事例に同型の遺伝子構造が確認されており、両国の国境を越えて感染が広がった可能性がある。世界的大流行を懸念するWHOは、感染状況の深刻度を評価するため、世界の専門家約十五人でつくる初の緊急委員会を二十五日に開催し、新型インフルエンザ発生に当たるかどうかを検討する。
日本政府も感染の拡大を懸念し、警戒を強めている。首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、関係省庁が今後の対応を協議。成田空港などではメキシコからの帰国者について監視態勢を強化した。
WHOは鳥インフルエンザなどの変異で発生するとみられている新型インフルエンザの大流行に備え、六段階の警戒水準を設定。これを現行の「3」から「4」へ引き上げるかどうかを協議する見込みだ。
「4」への引き上げは新型インフルエンザ発生を認定する意味を持ち、引き上げなら日本政府は首相をトップとする対策本部を直ちに設置し、発生地への渡航自粛勧告を検討する。
メキシコでは感染の中心はメキシコ市だが、このほか北部、中部、南部でも発生、全国に拡散している。メキシコ政府は首都の学校の休校措置に加え、図書館や博物館、劇場などの閉鎖を決定。市民生活への影響が拡大した。
WHOによると、
米国で確認された豚インフルエンザのウイルスは従来、豚では見つかったことのない型。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200904250279.html
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