新型インフルエンザ:上陸阻止へ緊迫/風評被害を懸念小売業界では、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)への恐れが豚肉そのものの消費敬遠につながらないか、大手スーパーなどは風評被害の拡大を懸念している。ただ中国製冷凍ギョーザの中毒事件の際には中国製品全体の販売低迷につながった苦い教訓もあるだけに、消費者への告知など各社の対応には差があるのが現状だ。
セブン&アイ・ホールディングスでは27日から、イトーヨーカ堂など傘下スーパーの店頭に、豚肉の安全性を強調する張り紙を掲示した。同社ではメキシコ産豚肉は販売していないが、一部で米国産豚肉を販売しているため、「産地にかかわらず危険性がないことを理解してもらう必要がある」(同社)という。
一方、一部店舗でメキシコ産豚肉を販売しているイオンや西友は、「張り紙や商品の撤去は考えていない」という。農林水産省などが豚肉自体の危険性はないと強調し、小売業界に「過剰反応」しないよう注意を促していることもあり、「特別な対応が、余計に消費者の不安をあおることになりかねない」(西友)との配慮からだ。
イオンの担当者も「今回は時間を追うごとに正確な情報も出始め、消費者も比較的冷静に対処している。今のところ豚肉の売り上げにも影響はない」と強調。ただ、大手スーパーにメキシコ産豚肉を販売している大手商社の担当者は「今後も問題が拡大するようなら、仕入れ先を米国やチリへ変更する可能性があるとの打診を受けている」という。流通業界全体が消費者の反応に神経質になっている状況だ。
◇国内飼育の豚、検査強化へ
農林水産省は、国内で飼育されている豚の検査を強化するほか、国内で新型インフルエンザが発生した場合に備え、食品関連業界に食料の安定的な供給を求める。消費者に対しては豚肉の安全性について周知を図り、風評被害の防止に努める。
農水省によると、国内でインフルエンザウイルスの感染が確認された豚は▽05年度3頭▽06年度1頭▽07年度ゼロ▽08年度1頭。検査は発熱、せきなどの症状を示した豚を対象に15~20都府県で行われ、検査実績は年間200頭前後だった。これを全都道府県に広げ、頭数も増やす。国と都道府県が折半していた検査費用も国費負担分を増やす。
また、国内で新型インフルエンザが発生した場合には、外出の制限や欠勤者の増加で食料の生産、流通、輸入などが滞る恐れがある。このため、農水省は生産者団体や食品業界に緊急時の流通経路や備蓄状況の確認を求める。
一方、外食産業の一部でメキシコ産豚肉の使用を控える動きが出ていることについて、石破茂農相は28日の閣議後会見で「好ましくない」と話した。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090429ddm041040052000c.html
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