WHO「水準6」視野に地ならし 緊張保持にも腐心 世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザの警戒水準について世界的大流行(パンデミック)の認定を意味する「フェーズ6」への引き上げが近くあり得ることを踏まえ、過剰反応を回避する「地ならし」を本格的に始めた。
「6」に引き上げた場合の意味合いについてマーガレット・チャン事務局長は4日付スペイン紙に「世界の終わり」を意味しないと強調し、「無用のパニック」を避けたい意向を表明した。フクダ事務局長補代理ら幹部も今月に入り、欧州やアジアなど米州地域以外で「持続的感染」が確認されれば、警戒水準の定義上「5」が「6」に上がるだけだとの説明を定例記者会見などの場でし始めた。
背景には、今回のウイルスが現時点では死亡や重症をもたらす確率がそれほど高くないとみられていることや、各国がパンデミック認定に身構える中、一方的に水準引き上げに踏み切ればWHO自体が「過剰反応」の批判を避けられないという懸念がある。
新型ウイルスの特徴にはなお不明な点も多く、より強い健康被害をもたらすものに変化していくリスクがある。WHOは世界に「冷静な対応」を求める一方、緊張感のつなぎ留めにも腐心する微妙な作業を迫られている。
http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009050501000327.html
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