防護服購入のケース急増=「過剰反応」「必要ない」-新型インフル 新型インフルエンザが世界的な広がりを見せる中、全身を覆う防護服や高機能の医療用マスクを個人が購入するケースが急に増えている。本来は感染者と接する医師や看護師らが対象。厚生労働省も「一般生活には不向きで、個人に最適なのは不織布製マスク」としている。業者側からも「さすがに過剰反応では」という声が聞かれる。
ネット通販「防護服ドットコム」を運営するトクラ商事(大阪市)には、新型インフルエンザが海外で表面化した先月下旬以降、問い合わせが相次いだ。3000円以上する防護服やゴーグルなどのセットがこれまで500組以上売れたという。
問い合わせの8割は個人で、中には1人で30組まとめ買いした例も。同社側が「個人には必要ないのでは」と伝えても、「念のため」として購入する人もいたという。戸倉康司社長は「新型肺炎(SARS)のときも日本中からマスクが消えた。(今回も)パニックが起きつつあるのでは」と懸念している。
郵船商事(東京都港区)も防護服、マスクを輸入販売しているが、殺到する注文に在庫がほとんど底を突いた。大半は自治体、企業向けだが、個人での購入者も急増。担当者は「不安が先行し、最も効果の高そうな商品の人気が出ている」と推測している。
インターネット上では「パンデミック(世界的大流行)に備えた自己防衛」をうたう業者もいる。
しかし、防護服などの製造販売会社、アゼアス(台東区)の担当者は「市民が防護服を着るような事態はまずありえない。常識的には不織布製マスクと手洗いで十分。在庫はあるが、必要な機関に確保するため個人の注文は断っている」と話している。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200905/2009050400209
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