新型インフルエンザ 豚インフルエンザから変異したとされる新型インフルエンザが、世界に拡大し始めた。世界保健機関(WHO)は、その警戒のレベルを「パンデミック(世界的大流行)」直前の「5」に引き上げた。米国は、この「危機」を冷戦後の新世界の試練とみる。アジア諸国では、国を挙げた検疫態勢を取り始めた。前回、多くの死者を出した中国がその経験を生かせるのか疑問も残る。新型インフルは各国に何をもたらすのか。
■南方週末(中国) SARSの経験を生かせるか
中国は、2003年の世界保健機関(WHO)最終報告で775人の死亡例が確認された新型肺炎(SARS)流行では「感染源」だった。政府による情報公開の遅れも手伝って、香港も含め、当時647人もの死者を出した苦い経験があるだけに、今回の「新型インフルエンザ」流行では一段と危機感を募らせている。
4月30日付の中国紙「南方週末」では「新型インフルエンザに直面、中国に準備はできているか?」と題する記事で、婉曲(えんきょく)的な表現ながらもSARSの経験と対比し、中国政府に迅速対応と情報公開を求めている。
SARSは02年11月に原因不明の感染症として広東省で最初の患者が確認されていたにもかかわらず、中国政府は03年2月まで事態を隠蔽(いんぺい)し、WHOにも報告しなかった。医療関係者に箝口(かんこう)令を敷いて報道も規制したことが世界的な感染被害の拡大につながった。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090504/amr0905040834002-n1.htm
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