<新型インフルエンザ関連銘柄の株価診断>タミフル行政備蓄寄与の中外製薬 ■新型インフルエンザを材料視、業績上振れ期待
中外製薬 <4519>は、スイスの製薬大手ロシュ社傘下の大手医薬品メーカーで、腎性貧血薬「エポジン」、抗ガン剤「アバスチン」、抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」などが主力製品である。また、人の免疫機能を活用した抗体医薬など、バイオ分野の研究開発力に強みを持ち、国産初の抗体医薬「アクテムラ」が関節リウマチ治療薬として期待されている。
4月24日に発表した09年12月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比43%増えた。営業利益は同74%増、経常利益は同2・2倍、純利益は同2・1倍と好調だった。売上変動が大きい「タミフル」は行政備蓄が寄与して大幅増収だった。また「タミフル」を除く製品売上も2ケタ増収となり、営業外では為替予約の評価益を計上した。通期業績の会社計画は、売上高が前期比22%増、営業利益が同22%増、経常利益が同11%増、純利益が同2%増の見込みである。新型インフルエンザの感染拡大に伴い「タミフル」の増産が求められれば、通期業績の上振れ期待が高まる。
株価の動きを見ると、メキシコ、米国での豚インフルエンザ感染拡大を機に動意づき、モミ合い展開から上放れる形で年初来高値を更新した。豚インフルエンザの感染拡大がピークアウトすれば、材料一巡感も警戒されるだろう。とはいえ、マスクに比べて業績への寄与度は高く、通期業績の上振れの可能性も期待されるだけに、好調な業績を評価する展開も考えられる。材料一巡感で下押せば、買いの好機とも考えられる。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0505&f=business_0505_018.shtml
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