<新型インフルエンザ関連銘柄の株価診断>抗ウイルス加工マスクのシキボウ ■花粉症関連でも材料視、インフル感染拡大ピークアウトで元の水準か
シキボウ <3109>は、繊維事業を主力として、機能材料事業、電子機器関連事業、不動産関連事業も展開する紡績メーカーである。インフルエンザ感染予防や花粉症対策で需要が高まっているため、抗ウイルス加工素材を利用した高機能マスクや衣料品の生産を拡大する方針だ。
09年3月期については、2月9日に業績予想の下方修正、3月18日に配当予想の減額修正を発表している。IT業界向け電子機器関連の需要が急速に減少したことが主因で、売上高、利益ともに下方修正した。増益予想から一転して減益となる模様だ。10年3月期についても繊維、産業資材の需要は低水準が予想され、人件費削減などの合理化効果でカバーできず、減益見通しとなる可能性が考えられる。マスクの収益寄与度は小さいが、インフルエンザ関連や花粉症関連の代表銘柄だけに、需要動向には注意しておきたい。
株価の動きを見ると、メキシコ、米国での豚インフルエンザ発生を機に動意づいた。世界的な感染拡大を材料視して、4月27日から3日連続で急騰したが、5月1日には一転して急落し、荒い値動きとなっている。ファンダメンタルズ面の評価よりも、鳥や豚など新型インフルエンザの発生を材料視する銘柄だけに、感染拡大がピークアウトして思惑買いが一巡すれば、急騰前の水準に戻り、上値にシコリを残す可能性も考えられる。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0505&f=business_0505_017.shtml
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