豚インフルエンザで対応に奔走/神奈川県内の自治体や企業メキシコや米国などで「豚インフルエンザ感染」の人への感染が判明した問題で、県と横浜、川崎市などは二十七日、相談窓口を開設、午前中から対応に追われた。横浜検疫所は水際対策に素早く着手、横浜港に入港予定の船舶を対象に調査を開始した。一方、メキシコに工場などを展開している県内企業は、従業員の安全確保に向け情報収集を急いだ。
二十六日に寄せられた相談は県二十三件、横浜市二十八件、川崎市九件だった。県の担当者によると、「米国から帰国したばかりだがどうしたらよいか」「米国、メキシコに行く予定だが心配ないか」といった相談が多かったという。横浜市の場合、「豚肉を食べても大丈夫か」と、食の安全にかんする問い合わせが大半を占めた。
また、相模原市は同日、市保健所(同市富士見)に医師や保健師ら六人を配置。発熱などのインフルエンザの症状が出た場合を想定し、簡易検査ができる準備を整えた。
一方、水際対策も着々と進む。横浜検疫所は二十五、二十六の両日、メキシコと米国から横浜港に入港する予定の船舶四隻を対象に乗務員の体調などを調査した。
調査は、船舶代理店を通じて各船の船長に実施。乗務員の中に、(1)三十八度以上の発熱(2)激しいせきや肺炎、呼吸困難(3)原因不明の死亡(4)疑わしい患者との接触―があるかどうかを聞いた。四隻のうち、メキシコから来港するのは一隻、米国からは三隻。四隻から回答があり、発生や該当する症状の乗務員は確認されていないという。
感染関係地域からの船舶だけでなく、米国とメキシコ全土からの船舶を調査対象とした。
一方、メキシコに工場を置く県内企業も対策を進める。薄型テレビ生産工場を展開する日本ビクター(横浜市神奈川区)は、情報収集を進める。「現段階では出張禁止などの措置を取っていないが、様子を見て決める」としている。工場など三拠点がある日産自動車も同様。現在、日本から数十人が出向中といい、今後は渡航自粛も含め対応を話し合う方針という。
今後、被害の拡大など事態の推移が注目されるが、県は週明けとなる二十七日、小野義博副知事をトップとする「県新型インフルエンザ対策会議」を開催。豚インフルエンザが新型インフルエンザと認定された場合の各部局の取り組みなどを確認する予定。横浜市も相談窓口を各区役所に拡大する。
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