新型インフル:成田乗客「A型」陽性 新型疑い例か検査新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の警戒レベルが「フェーズ5」に引き上げられた30日、各地の空港などでは検疫態勢が一層強化された。このうち成田空港では、到着した米国機の機内検疫で、日本人女性の乗客1人が新型インフルエンザと同じA型のインフルエンザに感染していることが判明。新型インフルエンザの疑い例かどうか判明するのは5月1日朝の見通しだ。
成田国際空港会社によると、女性を乗せた米ロサンゼルス発のノースウエスト便(乗客199人、乗員13人)は、予定より約1時間早い午後3時45分ごろ成田空港に到着。厚生労働省成田空港検疫所が機内検疫を実施した。この際、女性が高熱を訴えたため、検疫官が鼻やのどの奥から粘液を採取。約15分で判定できる診断キットで検査した結果、A型インフルエンザと判明した。遺伝子検査でさらに調べている。
関係者によると、女性から半径約2メートルの範囲にいた約20人については、遺伝子検査の結果が出るまで待機してもらっている。女性が新型インフルエンザの疑い例だった場合、この約20人は空港近くの施設に10日間ほどとどめ、健康状態を観察することになる見通し。
女性は午後8時10分ごろ、検疫官に腰のあたりを支えられながら階段をゆっくりと下り、検疫所の救急車に乗り込んだ。救急車はサイレンを鳴らさずに空港を出発、空港から約10キロ西にある受け入れ先の成田赤十字病院に向かった。
救急車は成田赤十字病院に午後8時半すぎに到着。同病院によると、検疫所から受け入れの要請があったのは午後7時35分ごろで「A型のインフルエンザの陽性患者が出た」との内容だった。救急車到着後、女性は自力で歩いて病院内に入り、直ちに感染症病床に入院したという。現在は感染症の専門医1人と看護師1人が24時間体制で健康状態を観察している。同病院によると、接触の機会を減らすため、限られた要員でローテーションを回すという。
女性が救急車で運ばれた後、同機からは残されていた100人前後の乗客が降りた。
米国に出張していた東京都文京区の男性会社員(29)は「機内検疫が始まって4時間くらいは、詳しい事情が分からなかった。最終的に『熱のある患者がいたが、病院に搬送したので降りていい』とアナウンスがあった」と話した。降機する際、検疫官から「感染している可能性があるので、厚生労働省から指示があった場合には従ってください」と言われたという。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090501k0000m040123000c.html?link_id=RSH05
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