豚インフル:一部在留邦人のメキシコ脱出始まる豚インフルエンザによる感染・死亡例が多数報告されているメキシコで、在留邦人が日本へ退避する動きが出始めた。現地では「国外への飛行機が飛ばなくなる」との風評も流れ、航空券が入手困難な状況になっている。
メキシコ在留邦人は約6000人で、うち半数がメキシコ市に集中している。関係者によると一部の日本人の「メキシコ脱出」は26日朝(日本時間同日夜)から本格化。米ロサンゼルス経由で日本に向かった。日系企業の多くは今後の対応を検討中だが、駐在員の間で家族だけ先に帰国させる動きが出ている模様だ。
日本航空のメキシコ市から成田への直行便は週2便(火、金曜)あるが、28日の便は既に満席。ゴールデンウイークの観光シーズンとも重なり、航空券入手が困難になっているという。あるメーカーの社長は「何とか5月1日の便を予約できたが、かなり混んでいるようだ」と話した。
また、メキシコ市の日本人学校は約130人の児童・生徒の帰国予定を調査。豚インフルエンザの影響で5月5日まで休校のため、子供を日本に帰す保護者もいるという。
ある日系企業メーカー幹部男性(53)は03年1月から香港に駐在、妻とともに新型肺炎(SARS)の発生に巻き込まれた体験を持つ。男性は「今のメキシコは当時の香港と状況が非常に似ている」という。豚インフルエンザへの対応ではマスク・消毒液の準備や社員の健康状態監視など、香港のSARS経験が生きているという。
一方で「香港では感染を恐れてエレベーターのボタンも自分では押さないほどだったが、メキシコではまだそれほど衛生面での注意が払われていないようだ」と指摘。「中国当局は当時、情報を隠したが、メキシコの場合は情報把握が遅れているように感じる」と話している。
http://mainichi.jp/select/world/news/20090427k0000e040074000c.html
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