豚インフル 関係機関ピリピリ 関空、検疫強化メキシコや米国で感染が拡大している豚インフルエンザ問題。仮に国内で感染が疑わしい患者が確認された場合、関係機関はどう対応するのだろうか。新型インフルエンザへの対応マニュアルなどをもとに、行動計画を定めているところもあるが、見通しがはっきりしないだけに、対策を決めかねている関係機関もある。水際対策を担う国内の関係者たちの間にも緊張感が高まっている。
検疫職員を倍に
関西空港は27日もメキシコからの乗り継ぎ客の多い米国からの2便の入国者への検疫を強化した。検疫所の職員を通常の倍に増やしたほか、メキシコからの入国者に対し、健康状態などを記入してもらう質問票の配布を始めた。
検疫所によると、体調不良を申告した乗客には、医師が簡易検査。感染が疑わしい場合は隔離して入国手続きを行い、搬送車で大阪府泉佐野市内の病院に搬送する手順になっている。
一方、大阪空港には検疫所がないため、機内で感染の疑いがある乗客がいた場合、該当機を大阪空港に着陸させず、関西空港に目的地を変更するなどの措置を取るという。
まずは保健所に
患者が入国後、感染が分かる場合も想定される。大阪府の「新型インフルエンザ対策行動計画」では、疑わしい症状が出た場合、まずは保健所に電話で相談することを求めている。「病院を突然訪れると、他の患者や医師らに感染するなどの事態も招きかねない」(地域保健感染症課)ためだ。
保健所は、聞き取り調査のほか、のどの粘液を採取して感染症かどうかを確認。入院の必要があると判断されると、平成15年の新型肺炎(SARS)発生時に購入した専用車両で感染症指定医療機関に移送することになるという。
府内には感染症指定医療機関が5カ所あるが、症状を訴える人が一斉に詰めかける可能性もある。府地域保健感染症課課長補佐の宮園将哉医師は「SARSの際にも、不安を訴える相談に医師らが防護服を着て臨むなどして現場は大きく混乱した。まずは保健所に電話相談してほしい」と話す。
http://www.sankei-kansai.com/2009/04/28/20090428-009261.php
PR