1週間で900万枚、連休返上でマスク製造 ウイルス対策用マスクを製造している「モチガセ」(鳥取市用瀬町用瀬)の本社工場では、2日午前7時から、社員10人が作業に追われた。
大型連休は、カレンダー通りの休みになるはずだったが、この1週間で計900万枚を受注、連休返上で生産を続けている。
特に、世界保健機関(WHO)の警戒レベルが「フェーズ5」に上がった4月30日以降に、注文が急増。製造責任者の中田幸広さん(53)は「肉体的には厳しいが、今やらないといけないという気持ちでみんな頑張っている」と力を込める。
中には、インフルエンザとの戦いが数か月以上の長期戦になるとみて、備蓄用として320万枚を追加注文してきた大企業もあった。フル生産しても今受けた注文の納期は7月ごろになる見通しで、若林一夫社長(58)は「長期化すればさらなる不足も考えられる。メーカーとして社会的責任を果たすためにも、何とか供給能力を高めたい」と焦りを隠せない。
一方、大勢の買い物客でにぎわった東京都内の大型スーパーでは2日、マスクの一部商品が完売し、インフルエンザへの関心の高さをうかがわせた。
ただ、買い物に来ていた東京都足立区、会社役員茂木昇さん(71)は、「新型インフルエンザは弱毒性のようだし、今のところは外出を控えるつもりもない」と、冷静な受け止めだった。新宿区の映画館「新宿バルト9」でも、1日から公開になったばかりの映画「仮面ライダー」の新作は満席だった。
経済の落ち込みで減産している大手メーカーは、三菱ふそうトラック・バスの16連休など、長い休みに入っている。しかし、企業の間では、感染拡大に備えた警戒感は強い。
企業のリスク管理を手がける、三井住友海上グループのインターリスク総研では2日、幹部研究員が出勤した。同社にはこれまで、顧客企業から「どのような対応をしたらいいのか」「休業すべきか」などの問い合わせが、数十件寄せられている。本田茂樹研究開発部長は「国内感染者が出れば、企業は工場の休止など、一段の対応を求められる可能性がある。企業は迅速で的確な行動が求められる」と緊張感をにじませた。
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