新型インフルエンザ:「中国渡航回避を」 メキシコ政府、不当隔離と非難 メキシコのエスピノサ外相は2日の会見で、中国に滞在しているメキシコ人が新型インフルエンザの影響で中国当局に不当な扱いを受けているとして、中国への渡航を避けるよう国民に呼びかけた。メキシコ人を中国から退去させるため、臨時航空便の手配をしている。新型インフルエンザの感染者が最も多いメキシコは、外交面で他国と摩擦を抱える事態に直面している。
香港で1日、メキシコ人男性が新型インフルエンザに感染していることが判明。この男性は中国・上海経由で香港入りしたため、中国政府はメキシコ発上海行きの航空便受け入れを停止させた。
エスピノサ外相は会見で、「不当な方法でメキシコ人を隔離している」として、中国への渡航を控えるよう国民に勧告した。外相は「症状のないメキシコ人が受け入れがたい環境に隔離された。科学的根拠もない人権侵害は正当化できない」と中国を強く非難した。
AFP通信によると、北京のメキシコ大使館関係者は3日、新型インフルエンザの症状がないにもかかわらず約70人のメキシコ人が中国で隔離されていると明らかにした。このうち北京のホテルに10人が隔離され、メキシコのグアハルド大使が面会を求めたが、中国側に拒否された。
メキシコ政府は、国外の国民が今後、人権侵害や人種差別的な扱いを受ける可能性を懸念している。
新型インフルエンザの発生を受け、アルゼンチンやキューバ、エクアドル、ペルーもメキシコ便の受け入れを停止。ラテンアメリカの「兄弟国」の措置に対し、エスピノサ外相は「衝撃を受けている」と表明。世界保健機関(WHO)が各国に国境閉鎖や国外渡航の制限をしないように要請したことに反していると主張した。
一方、日本は来日するメキシコ人の査証免除を4月29日から一時的に停止。これに対してもメキシコ外務省は不快感を示している。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090504ddm007040098000c.html
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