新型インフル、握手やめます 不安と冷静の米社会 新型インフルエンザの感染拡大から1週間。米国メディアの報道からは、感染へのおびえと「騒ぎすぎだ」という冷静さが入り交じった空気が読み取れる。
ジョージア州の中学生オースティン君(13)は4月30日、学校から家に帰された。マスクをしていたことが理由だった。学校関係者は「新型インフルエンザに感染しているのではと生徒たちがパニックになった」と説明する。
そのマスクが飛ぶように売れている。テキサス州にある国内唯一の手術用マスクのメーカーは、創業以来初めて工場の24時間稼働に踏み切った。「27日から電話は鳴りやまない」とCNNに語っている。
集団感染を避けるため、国境地域を中心に、300以上の学校が休校になるなど、教育現場に影響が出ている。大学は5月から卒業式シーズンを迎えるが、ボストンのノースイースタン大学は、卒業証書の授与の際の握手をやめることにした。
人が集まる教会も対応を迫られている。マイアミ市の教会は、ミサで同じ杯を参加者で共有する聖体拝領をやめた。ダラス市の教会は「病気でミサを欠席しても罪にはならない」と呼びかけた。
一方で、国内最多の感染者が確認されているニューヨークでは、いまもマスク姿の人を見つけるのは難しい。4月28日公表されたギャラップ社の世論調査によると、22%が「感染が心配」と答えたものの、公共交通機関の利用をやめたり、航空便をキャンセルしたりした人は1~3%にとどまった。
感染騒ぎを笑い飛ばそうとするネットゲームが早くも登場した。名付けて「豚ファイター」。世界地図を背景に、マスク姿・白衣の医者が、空飛ぶ豚を大きな注射器で撃ち落として点数を競う。制作者によると、反応はまずまずだという。
http://www.asahi.com/international/update/0502/TKY200905020178.html
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